第四話

執筆者:震電J7 

 

レオン、七誌、シンデンの三人は新たな仲間、ユウ、そして美雪を迎え、四台+一匹のパーティーとなった。

 

「次はフリーザの町だが・・・、あそこは滑るぞ・・・。」

 

先頭を走る『ロー・アイアス』からレオンが話す。

 

「氷の町、フリーザか・・・。」

 

続く『ストライカー』のシンデンが答える。

 

「まあ、多少滑ってもしゃあ無いだろ。コツさえ掴めば何とかなるさ。」

 

「滑るのか・・・。」

「クゥン・・・。」

 

それに七誌の『ハ−スニル・エイト』、美雪を車上に乗せたユウの『ブラック・ウルフ』が二台並んで続く。

 

「クゥ・・・?」

「どうした・・・?美雪・・・。」

 

ユウが西の方角を見た美雪に呼応して、美雪の見る方を見た。

そこには六本の足を持つバイオモンスターがいた。

 

「ウウウウ・・・・・・!」

「西側に敵発見・・・。」

 

ユウが三人に通信を入れる。

 

「なに!?全然、気付かなかったぞ!?」

 

レオンが敵発見の報に驚く。

 

「美雪が見つけた・・・。」

「たいした犬だぜ・・・、レ−ダーにも掛かってないのに・・・。」

 

七誌の声がスピ−カ−に響いた。

四台の戦車は西に進路を変え、モンスターと対峙する。

 

「こ、こいつぁ・・・!!」

「キング・ホッパーだ!!」

 

向かった先に居たのは指名手配犯の『キング・ホッパー』であった。

 

「散開しろ!」

 

シンデンが通信機に叫ぶと同時に四台の戦車がキング・ホッパーの周囲に散開する。

キング・ホッパーはその巨体からは想像できない程の機動力を持っていた。

 ドン、ドン!! ドォーン!!

シンデン、七誌が主砲を撃ち込む。

 

「行けーっ!」

 

 ドン!シューーー・・・、バッ!バフッ!!

 

レオンが援護の為のセメント弾を放った。

 

「・・・。」

「ハッ、ハッ、ハッ!」

 

 ガーーーーー!!

ユウは美雪と共にキング・ホッパーの背後に廻る。

 

「フッ・・・!!」

 

 ドヒュン!!ドン!

そして背後からユウと美雪が同時に発砲した。

 ドドン!ドン!ドガァ!!

次々と撃ち込まれる砲弾にキング・ホッパーは巨大な大砲で応戦する。

 ドガーーン!!・・・ドォン!!

七誌の『ハースニル・エイト』の側に砲弾が落ちた。

 

「グッ・・・!!装甲が少し剥げたか・・・!」

「クソッ!みんな、目を閉じろ!これでも食らえ!!」

 

 ドォン!!シュルルル・・・、バッ!!

 

レオンがキング・ホッパーの眼前に照明弾を放つ。

キング・ホッパーは強烈な閃光にカメラアイが焼かれた。

「キシャーーーッ!!!」

 

その瞬間、キング・ホッパーの動きが鈍くなる。

 

「今だっ!!」

 

四台の戦車から大量の主砲、副砲、SーEが撃ち込まれ、遂にキング・ホッパーは倒れ伏した。

 

 

「ふぅ・・・。なかなか強かったな・・・。結構、弾使ったぜ・・・。」

「ああ、でも手配犯を撃破できた。これは発見した美雪のお手柄だな。」

 

そう言ってシンデンが美雪の頭をなでる。

 

「クゥ・・・、ハッ、ハッ、ハッ♪」

 

美雪が嬉しそうにシッポを振った。

 

「・・・、ご褒美・・・。」

 

ユウが美雪にわんわんグルメを与える。

 

「ワフッ♪♪」

 

美雪は喜んでわんわんグルメに飛びついた。

余談であるが、美雪はその後、十五個もわんわんグルメを平らげた・・・。

キング・ホッパーを倒した四人は、補給の為、真っ先にフリーザの満タンサービス向かった。

 

「は〜・・・。結構、高くついたな・・・。」

 

七誌が補給を受けながらぼやいた。

「まぁ、仕方が無いさ。あんなに梃子摺るとは思わなかったからね。」

 

シンデンが答える。

 

「でも、手配犯も撃破できたし、賞金も入るさ。」

 

レオンは嬉しそうな顔をしていた。

 

「はぁ〜・・・。で、ユウはどこ行ったんだ?」

「彼は補給が終わってすぐ、外に出た様だが・・・?」

「外に?」

 

七誌が首を傾げる。

七誌が店の外に出て、まず見たもの。それは・・・

 つるつるつる〜〜〜♪

 

「ハハハ・・・。楽しいか?美雪・・・。」

「ワォン♪」

 

氷上を滑る黒い戦車の姿であった。

 

「・・・・・・・・・。」

 

流石(さすが)の七誌も、これには唖然とした。

 

「ほう、ユウの笑顔か・・・。初めて見たな。」

「ああ、楽しそうだ・・・。」

 

レオンとシンデンが呟く。

 

「そんな問題なのか・・・?はぁ・・・。」

 

七誌が溜め息をついた。

大型戦車でのアイススケ−ト(?)を満喫したユウと美雪を連れ、レオン達はハンターオフィスへと向かう。

 

「ポブレ・オブレ守備隊のレオン・ハルト大尉だ。手配犯を仕留めたので確認を頼む。」

 

そう言ってキングホッパーの残骸の一部をオフィサーに渡した。

 

「あ、大尉、お疲れ様です。少しお待ち下さい。」

オフィサーが残骸を機械に入れ、コンピューターの端末を操作する。

 

「・・・・・・、・・・・・・、はい、確認しました。確かにキングホッパーですね。では、マネーカードをお出し下さい。」

「五等分、ユウのカードに五分の二を振り込んでくれ。」

 

レオンはそう言って、オフィサーに四枚のカードを渡した。

 

「・・・、美雪の取り分だな?レオン。」

 

シンデンがレオンに尋ねると、レオンは笑顔で頷いた。

 



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